きのこの部屋

読後メモやお寺の中のジェンダーなどなどについて書いてます。

2024年に未だ寺に残る「妻は無能力者」思考

「虎に翼」の最初の数週間、明治民法では妻は「無能力者」とされていたということが繰り返し出てきた。「虎に翼」の大好きなところは、地獄をしっかりと書き出して、はっきり言語化するところだ。 まさに「すっきりしないけどはっきりする。」 妻は「無能力…

「虎に翼」大好きメモ

朝ドラ「虎に翼」を見始めた。 朝ドラは常に必ず観てるわけではなく、見る時期と見ない時期がある。 今回は日本初の女性裁判所長、三淵嘉子さんがモデルで、主演俳優が伊藤沙莉さんだというので、前の週から録画予約をして楽しみにしていた。 (三淵嘉子さん…

「わたしたちは女にかぶせられている呼び名を返上します」

何となく録画して観たETV特集で森崎和江さんという方を初めて知ったのだが、どの言葉も逃したくないくらい素晴らしい番組だった。日本の植民地支配下にあった朝鮮半島で、支配する側の両親のもとに生まれ、日本に帰ってきてからは植民地支配をする側の身分だ…

留守番という仕事

個人的なことが政治的すぎて、政治的なことが個人的すぎて、何をどう訴えたらよいのだろうかと途方に暮れている日々である。 友人たちからするとどこが?と思われるかもしれないけれど、私はこの2年、家に内に籠っている。出かけるのが面倒になった。出かけ…

お寺の中のジェンダー(でもお寺に限らず日本中で起きていること)

抱いてきた違和感 違和感 × ジェンダー 透明な自動ドア 仏教×ジェンダーに関するとあるイベントでお話しさせていただいた時のメモを少しアレンジして残しておきます。 抱いてきた違和感 僧侶と結婚した私が約20年お寺で暮らしてきた中で感じているお寺の中の…

読後メモ「はじめてのジェンダー論」

私は何の疑いもなく女性として生きてきて、何だかんだと割と自由に生きてきたつもりだ。 ただ、僧侶である夫と結婚してからは何から何までしんどくてしんどくて、でもまぁ私はもともと生きづらさを感じてながら生きてきたし、慣れないことしてるんだし、こん…

読後メモ「私たちにはことばが必要だ~フェミニストは黙らない」

またまた素晴らしい本に出会ってしまった。 とてもとても暖かい本。 優しい本。 寄り添ってくれる本。 抑えていたことばを引き出してくれる本。 そのことばを発することをためらっている時にはすぐに駆けつけて背中をさすりながら手を握っていてくれる本。 …

お寺のブログを削除した。

ブログ削除完了 「嫁」という装置 大切にしたいこと 仏教行事の場やお寺に「妻」は必要か ジレンマを抱えながらも ブログ削除完了 お寺のホームページで私が書いていたブログを全削除した。 去年の春にお寺のHPの中で私のブログを始めて最初に書いた「お寺に…

読後メモ「差別はたいてい悪意のない人がする」~マイノリティの私とマジョリティの私~

「差別はたいてい悪意のない人がする」という本に出会いました。読んでいたら刊行記念のオンライン参加可能なイベント「悪意のないマジョリティとは誰か」を見つけたのでそれまでに猛ダッシュで読んだのですが、本とイベントを通して感じたことを書き留めて…

初めてK-POPを好きになった私が読んだ「『日韓』のモヤモヤと大学生のわたし」

それはある朝突然に… 「すごくかっこいい」だけじゃないかも ハングルの勉強を始めたら噴き出してきたもの 「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし 「特権」と「連累」 それはある朝突然に… 5月のある日、何気なくつけていたテレビから流れてきた「Butter」のMV…

お坊さんと結婚してから抱えてきたモヤモヤの正体はジェンダー由来だった

私が、住職の夫と結婚してお寺にきて20年近く。お寺にはいるけれど、私はお寺の奧さんという役割を背負うことをやめて「私」で生きていこうと思うまでの紆余曲折を書き残しておきます。 初めて「ジェンダー」(文化的、社会的に作られた性差)について当事者…